就活中の学生のみなさんへ

薬局で働く
魅力責任

ファルマコム株式会社
代表取締役
上原 靖洋

薬局で働く魅力は、人を見て、支えることです。

処方箋をもって来られる患者さんは、医師から病気と治療の説明を受けて薬局にきます。どのような説明を受けたか推測しながら、薬局では、医師の説明を捕捉するだけでなく、治療が上手くいくよう問題点を探してアドバイスをしたり、生活上の悩みを聞き出して一緒に考えます。

患者さんが、より元気で、健康な生活を送ってもらえるよう、継続して、体のことだけでなく、心の状態も“見る”ことが薬局の役割です。処方箋がない時でも困ったことを尋ねられ、また服薬状況や体調を心配して薬局側から電話することもありますが、月一度のわずかな時間でどれだけ患者さんの様子を見て役に立てれるか、その一瞬にどのようかかわりができるかを追求しています。

数回お話をすると、患者さんの性格や好み、どのように話しかけると心を開いてくれるかが分かってきます。さらに回数を重ねると、患者さんの名前や病気のことだけでなく、趣味や家族構成などが、顔を見るだけで分かるようになります。このような人間関係ができると、さまざまな悩みや問題点を聞き出せ、的確なアドバイスができようになります。

少しの気遣い、声掛けで、患者さんを元気にさせることができます。それは、人を見て、支える続けることでできます。あなたに良いことを教えてもらった、元気になりました、薬局にきて良かったと思ってもらえる。人と人のかかわりのなかで、喜んでもらえる。これが薬局で働く魅力です。

薬局には、大きな責任もあります。不必要な薬が使用されていないか厳しく監視する「薬の番人」であることです。

医療にかかわる職種のなかで、薬を減らすのは、医師でも、看護師でもありません。胃腸障害がない方に漫然と胃薬が出されていないか、抗認知薬を服用している方の不穏や意欲を観察しながら用量が調整されているか、転倒リスクがある方の睡眠薬を減らすチャンスはないか。相互作用を防ぐことはもちろんのこと、不必要な薬を減らす、やめることを提案するのは薬局薬剤師であるべきです。

また、今飲んでいる薬をどうやったらやめられるのか伝えることも薬局の役割です。治療の基本は、生活習慣の改善です。適度の運動、食事に気つけることで、薬を減らせることを教えなくてはいけません。なかには、食べたいものを我慢してまで無理をしたくない、苦しい運動をしたくない方もいるかもしれませんが、本当に必要な薬か厳しく対処していく、薬局は「薬の番人」でなくてはなりません。

もうひとつは、「地域の健康を支える」ことです。薬局があるのは地域です。病気の患者さんだけでなく、そこに住んでいる病気でない方の健康を支えることも薬局の責任です。病気にならないための心得、感染症にならないための予防方法、定期的に健康診断を受けることの必要性、一人では生活できなくなった時の社会的サポートなど、健康に関する情報やサービスを提供して、地域の健康を支える責任があります。

ゆうゆう薬局は、薬の番人であり、地域の健康を支えることをみんなで誓い、これからも地域を元気に、活力ある社会づくりに貢献していきます。